体外受精の1周期の流れ
体外受精(IVF)は、卵巣から卵子を採取し、体外で精子と受精させた後、発育した胚を子宮に戻す治療法です。1周期のスケジュールは卵巣刺激法によって異なりますが、ここでは一般的なアンタゴニスト法を例に解説します。
スケジュールの詳細
月経1〜3日目:治療開始
月経開始後、クリニックを受診します。超音波検査で卵巣の状態を確認し、血液検査でホルモン値を測定します。問題がなければ、排卵誘発の注射(FSH/HMG製剤)を開始します。
月経3〜10日目:排卵誘発(卵巣刺激)
毎日もしくは隔日で排卵誘発の注射を行います。自己注射が可能な製剤もあり、毎日の通院が不要な場合もあります。途中で2〜3回の超音波検査とホルモン値の測定を行い、卵胞の発育状況を確認します。
- 通院回数:3〜5回程度
- 卵胞が十分に発育したら(直径18mm前後)、トリガー(HCG注射またはGnRHアゴニスト点鼻薬)を使用
月経12〜14日目頃:採卵
トリガーから約36時間後に採卵を行います。経膣超音波ガイド下で卵巣に細い針を刺し、卵胞液とともに卵子を吸引します。
- 所要時間:15〜30分程度
- 麻酔:局所麻酔または静脈麻酔(クリニックにより異なる)
- 採卵当日はパートナーの精液提供も必要です。院内の採精室で採取するか、自宅で採取して持参するかはクリニックにより異なります(または事前に凍結保存した精子を使用)
- 当日は安静にし、翌日から通常の生活に戻れることが多い
採卵当日〜:受精・培養
採取した卵子と精子を体外で受精させます。受精方法は通常の体外受精(卵子と精子を同じ培養液に入れる)と顕微授精(ICSI:精子を直接卵子に注入)があります。
- 受精確認:採卵翌日
- 初期胚(4〜8細胞期):採卵後2〜3日目
- 胚盤胞:採卵後5〜6日目
近年は、胚盤胞まで培養してから凍結保存し、次の周期以降に移植する「凍結融解胚移植」が主流となっています。
移植周期:胚移植
凍結融解胚移植の場合、採卵とは別の周期に行います。ホルモン補充周期(エストラジオール製剤とプロゲステロン製剤を使用)で子宮内膜を整えた後、融解した胚を子宮内に移植します。
- 移植の所要時間:5〜10分程度
- 痛みはほとんどない
- 移植後は通常の生活が可能(激しい運動は避ける)
- 移植から約10〜14日後に妊娠判定(血液検査でhCG値を測定)
費用の目安
保険適用(3割負担)の場合、採卵周期で約10〜20万円、移植周期で約5〜8万円が目安です。高額療養費制度を利用すると、月あたりの自己負担をさらに抑えることができます。
費用の詳しい内訳や保険適用の条件については、保険適用まとめをご覧ください。
まとめ
体外受精は高度な治療ですが、保険適用と高額療養費制度を活用することで、経済的な負担はかなり軽減されています。治療のスケジュールや費用はクリニックによって異なるため、事前にしっかり確認しましょう。
体外受精について詳しくは体外受精の解説ページをご覧ください。お住まいの地域のクリニックをエリアから探してみることもできます。
